欧州中央銀行 社債を気候変動スコアで数値化 環境経営の格付けを後押し

 欧州中央銀行(ECB)が社債の保有リスクを評価するため、脱炭素の取り組みを数値化する「気候変動スコア」を発表しました。ECBは金融緩和策として国債、社債を購入しており、大量保有に伴う損失も懸念されています。保有する社債の損失リスクをより「見える化」するのが狙いです。これは同時に社債を発行する企業の

ユーグレナ ミドリムシからSAF育てる ブレない経営、日本の潜在力を引き出す

 成田空港に植物や廃油などを原料とする「SAF」を供給できる設備が完成しました。航空会社はCO2を大量に排出する産業として批判されており、スウェーデンの環境家グレタ・トゥーンベリさんが航空機を使わずにヨットで大西洋を渡って国際会議に参加し、世界に訴えたこともあります。SAFはジョット燃料の代わりに使

経産省が人権尊重の指針 ESG、SDGsを掲げる企業は避けて通れない 試される実行力

 経済産業省が9月13日、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を公表しました。日本の企業に対し人権尊重の視点から経営を実践するよう求め、その指針となるものです。日本の企業は世界各地で事業展開していますが、人権問題についての感度や実行力が欧米に比べて差があります。英語など

製造業が再生エネに切り替え 取引や採用などの必須条件に 太陽光など普及を後押し 

 製造業が再生可能エネルギーに切り替える動きが広がっています。太陽光や風力を使って生み出した電力で工場などすべての事業所を運営します。地球問題化による気候変動対策を経営評価の基準に設定し、再生可能エネルギーの使用を取引条件として求める大企業が増えているからです。日本の産業界は世界の中でカーボンニュー

くら寿司 出張授業で「お寿司で学ぶSDGs」、皿を重ねるたびに広がりが定着

 回転寿司チェーンのくら寿司が「お寿司で学ぶSDGs」をテーマに学校を訪れて出張授業しています。食品産業新聞の9月6日付記事によると、回転寿司チェーンでは初めての試みで2022年5月から始め、すでに15校で実施しています。ある小学校の授業風景を伝える同新聞の記事を読んで初めて知りました。

ヘラルボニーと味の素AGF 知的障がい者のアートをドリンクディスペンサーに

 ヘラルボニー(盛岡市)と味の素AGF(東京都渋谷区)が9月1日から「アートドリンクディスペンサー」の設置を始めます。ヘラルボニーは、知的障がいのアーティストと契約して新たなアートの提示に努力しています。味の素AGFは会社オフィスなどでコーヒーなどを主力に提供するドリンクディスペンサー(給茶器)を設

明治神宮外苑の木の伐採、自然と人々が離れていく 再開発会社のSDGsはどこへ 

 東京だけの問題だろうか。 東京・明治神宮外苑地区が再開発で揺れています。地区の象徴とも言えるイチョウ並木の多くが伐採されることに対し、反対の声が上がっていました。再開発を請け負う事業会社は当初計画1000本程度を伐採する予定でしたが、550本にまで減らす案を提示。8月16日に開催した東京都

日本製鉄 シアン流出の報告漏れ ESG経営の評価漏れもあぶり出す 

 改めてESGやSDGsに関する経営評価の難しさを痛感しました。日本製鉄が千葉県君津市の工場から有毒物質シアンを流出させ、しかも法定基準値を超えた検査結果39件を3年間以上に渡って公表していないことがわかりました。またシアン流出以前に工場から吐き出された脱硫液の検出についても、高い検出値を無視して低

ESG・SDGsの経営 金融サービスと製造業を並べて評価するのは公平か

 SDGsやESGを評価基準にした企業経営の調査が増えています。地球環境問題は世界的な関心事だけに、調査の実施主体は大手会計事務所やシンクタンクにとどまらず、新聞や経済誌などさまざま。幅広い層からの反響が大きい証です。ESGなどをテーマに設計した投資商品もどんどん増えています。投資効率の良さを重視し

富士通 聴障害者向け電車発着の動画表示  乗降客の心に大きく響く

 JR上野駅のホームで少年がお母さんに向かって手話を披露していました。背のすぐ後ろには清涼飲料水の自動販売機。その上には大きな画面を備えたディスプレー機が載っています。ちょうどホームに山手線が進入してきました。画面では駅員が手話で電車の到着を伝え、しばらくしてからドアが閉まりますと注意を喚起します。

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