SDGs週間だからなのでしょう。テレビも新聞も話題として取り上げられており、さまざまなイベントが開催されています。その一つ、大きな会場で開催されたイベントを見学してきました。これまでなら使い捨てられたゴミから繊維、和紙などへ再生する製品、規格外として売り物にならないとされてきた野菜などでジャムやピクルスを仕立てたもの、など。発想自体にそう驚くことはありませんが、買っても良いかなと思う品質に仕上がっており、生産者の努力には敬服するしかありません。
ほたての集客力が一番
最も集客力があったのは、北海道のほたてを調理していたブースです。すごい人でした。ほたての魅力は他を圧倒していました。うまいです。扇形の貝殻に帆立の貝柱に醤油をかけたり、バターをのっけて焼いて食べたら、最高です。大好きです。
逆に最も閑散としていたのが金融イベントのブース。不動産、太陽光・風力発電、FAXなどこちらもさまざま。投資か投機か境界線があいまいな印象を受ける金融商品もあったような気がしました。何社かが集まって金融コーナーとしてアピールしていましたが、SDGsのイベントに参加した人は避けて通っている感じです。出展企業ももちろん、避けられると覚悟していたのでしょう。スッタフを多く揃え、目の前を通る人に声をかけます。
熱気一番はマネー
「抽選すれば、〇〇がもらえます」
「アンケートを書いて貰えば、XXがプレゼントされます」。
最近、コロナ禍で足遠のいていた新宿・歌舞伎町へ久しぶりに訪れたのですが、あの街でも見かけないほどの売り込みです。しつこく声をかけてくるスタッフにたずねました。
「不動産投資はSDGsなの?」
「人生100年ですから。安定した生活、人生を送るためにはお金が必要です」。これが答えでした。
思わず、「なるほどねえ」と返したら、「抽選に参加しませんか」
「いやあ、必要ないですよ」と断ったら、今度は違うスタッフが駆け寄ってきて「抽選で当たりますよ」
スタッフのみなさんのあまりの熱心さに対して不愉快な思いはありません。むしろ、学生の頃に経験したアルバイトを思い出し、きっと抽選やアンケートの獲得の成果で日当が増えたり減ったりするのだろうなあと気の毒に思っていました。
そんなノルマみたいな働き方自体がSDGsの精神に反しているのではないですか。そんな堅苦しいことを言う気もしません。主催者はきっとわかっているのでしょうが、イベント事業を黒字にするためには幅広く、出展企業を集めるしかないというのが現状なのでしょう。出展企業や自治体を見ても、大手企業は数えるぐらい。
SDGsは懐が深い
だからこそ、金融商品を扱う企業が積極的に売り込む姿が目立ってしまうのでしょう。SDGsって、持続する社会を大きなテーマとしていますが、人生100年もSDGs、だから不動産などの投資へ、という発想の流れは思いもしませんでした。現代の「風が吹けば桶屋が儲かる」ですか。
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